
日々節約をこなし、欲しいものと必要なものを自分なりに考え、しっかりと自制することは何も貯金のためだけではありません。
自分たちの思考と行動に大きな影響を及ぼしてしまうということを知っておくべきです。
- 自分の浪費癖に気付いている人
- 収入をすべて使ってしまう人
- いつもお金のことで頭がいっぱいの人
こんな人たちに向けた記事です。
❏財布の余裕はマスト

同じ人間でもお金のある時とない時で能力に違いが出るという研究結果があることをご存知でしょうか。
『トンネリング』という心理学用語は、ひとつのことが気になってしまい他のことが処理できなくなる状態を指します。
これは時間がない時にも同じ現象が起こるとされており、自分で余裕のある計画を立てて行動する必要があることを説いているのです。
余裕がない時の行動は『欠乏の行動経済』と呼ばれ、このように書籍化されています。
もし気になる方は、一読してみるといいのではないかと思います。
お金持ちの人を『お金のことばかり考えている』と指摘する人がいますが、果たして本当にそうでしょうか?
お金がない人ほど、いつもお金の考えているはずです。
年収が1000万にもかかわらず、いつもカツカツの人だって少なくないと耳にします。
『今月やばい』
例えば『引き落とし日までに〇〇をしておかなきゃ』なんて考えたことはありますよね。
そんな小さなことでも頭のなかのエネルギーが消費されています。
いわば、思考の無駄遣いといってもいいでしょう。
- 朝目が覚めたら『やばい、今日のお昼どうしよう』で始まる
- 昼仕事中にも『今月いくら使ってるっけ』ということが脳内をよぎる
- 夜ふとんに入って『やばい、お金ない』と眠れず何時間も寝返りを打つ
こんなバカバカしいことがあるでしょうか。
こんな状況では何も手を付けられません。
仕事や勉強を前に進めたいのに、他のことで頭がいっぱいだったら集中できませんよね。
誰だって経験があると思います。
これはなにもお金に限ったことではありません。
時間や人間関係のもつれも同じです。
自分がすべきこと・したいことにゆっくり取り組めるように環境を作るのは自分しかいません。
外的要因でそういう状況に陥ってしまった場合は些か気の毒ですが、どちらにしても一刻も早くカツカツの状況を脱出できるように努めるべきだと思います。
経済的な余裕の有無が思考と行動に影響するのであれば、同じ時間を過ごすなら余裕ある方が間違いなくより良い将来を創造できます。
余裕が生まれることで毎日の質が上がるので、人生もプラスに方向転換するはずです。
それまで、お金のことでいっぱいだった脳のキャパシティを本来使うべきことに集中投下できるようになります。
❏お金のことを考えるとは

『お金持ちにはケチが多い』と聞いたことがありませんか?
お金持ちにお金やビジネスの知見があるのは確かにそうかもしれませんですが、それ以前に自分の支出をコントロールする能力を持っています。
一見どこにでもいるサラリーマンの人の中にも、努力して数千万~億の資産を築いている人だっているのです。
先ほど『お金のことで頭がいっぱい』という言い方をしましたが、お金持ちもお金のことも考えています。
ただし、貧乏マインドとお金持ちマインドの大きな違いは
- 貧乏マインド …お金に憑りつかれている(感情的)
- お金持ちマインド …お金をコントロールしている(合理的)
というところです。
お金持ちのマインドを持っている人たちは、消費を含めて判断基準が合理的です。
自分の行動をコントロールしていると言ってもいいでしょう。
欲しいものがあったら衝動的に買ってしまうのではなく、『それが必要かどうか』という判断を下しているのです。
言い換えるなら、
- 欲しいかどうか…感情的
- 必要かどうか……合理的
とでもいいましょうか。
人間の欲望は無尽蔵なので、毎回『ほしい』に応えていてはいつか必ず破綻する時が訪れます。
自分とうまく付き合うための計画が必要です。
自分の欲望が一体どういう状態なのかを把握することも大切でしょう。
- 『今日のストレスは重くないな、200円のプリンでも十分処理できる』
- 『3月末クソ忙しかったから、1000円のプリンを買って帰ろう!』
といった具合で簡単なルールを作ってみるのもいいかと思います。
❏判断基準を作って『選ぶ自分』になろう

やり方は人それぞれあると思いますが、判断基準(天秤)を作ってそれに則った行動をとってみるといいでしょう。
勿論最初は3日坊主で終わるかもしれません。
いきなり1週間、1ヶ月がんばろう!と意気込むのではなく、『まず今(今日)やってみよう』というところからスタートすればいいと思います。
大事なのは、『自分の意志で選択する』こと。
『行き当たりばったり』は、その時の気分だけが根拠だから生まれるもの。
そもそも自分の中に判断基準(天秤)が存在しないのと同じです。
自分で判断基準を作ることで、自分が選択するチャンスが増えます。
『自分が選択権を持つ』ことで幸福度を上げることにもつながります。
選べない自分になるのではなく、『選ぶ自分』になることです。
『選べない自分≒幸せじゃない』ですよね?
比べるものを準備しておくことで、『欲望を断つ』という行為が肯定的になり、相対的に『我慢』ではなくなります。
『我慢≠マイナス』、更に言えば、我慢という発想すらなくなるのです。
我慢して人生を損するように感じてしまうのは、自分の中に判断基準(天秤)がないからです。
我慢は感情的な判断をする場合に発生するもの。
例えば、何か欲しいもの(服でもなんでもいい)に遭遇したとします。
自分に判断基準があれば、何か(自分)のためにその判断を下すので、マイナスなベクトルになりません。
❏小さな判断基準で時間も手に入れる

身近な例を挙げると、
買い物で何を食べるか迷って、全然決められず無駄に時間だけ過ぎていく
という経験はありませんか?
お昼休みの話、コンビニへお昼を買いに行った時を想像してみて下さい。
『別に食べたいものが置いていないんだよなぁ…どれにしようかなぁ…』と悩んだ挙句、やっと決めたと思ったらめちゃくちゃ長い列ができていた…
(おまけに買ったものも、さほど自分を満たすものではない…)
これは『食べたいものが何か』というように、判断基準が『必要かどうか』でなく『欲しいかどうか』だから発生する現象です。
とはいえ、それでももっと小さな判断基準は自分の中にあることでしょう。
例えば、
- 【予 算】500円まで
- 【種 類】インスタント以外で
- 【利便性】容器か袋か
といった感じで無意識に決めているのではないでしょうか。
その小さな判断基準が習慣として定着しているからです。
こういった判断基準をもっと増やしていけば良いのではと思います。
自分が何を欲しいのかも分からないとき、それは一生考えても答えが見つかりませんよね。
ある時、私はそんな時間の使い方に嫌気が刺してしまい、お昼を断食していた時期がありました(肌荒れを招き、腕が細くなりました)。
❏おわりに

自分の収入に見合った支出計画をたて、少しずつお金を残していくことで余裕につながっていきます。
お金を残すことで、選ぶ自分を作ることができるのです。
そのためには、自分にとっての判断基準を明確にすることが大切。
生活習慣や思考・行動はたった1日で改善できるものではないですが、小さなことから始めれば少しずついい結果がでてくると思います。
判断基準を作り、計画に則って行動することで、お金だけでなく時間にも余裕が生まれます。
その時間を他にやるべきこと・やりたいことに回すことができるのです。
日頃から余裕を作っておくことで、来るべきチャンスを逃さずに済むこともあります。
せっかくこのページを読むという選択をされたのであれば、今日からお金に余裕のない生活を脱するために行動してみてはいかがでしょうか。