
❏キャッシュレス主義者の言い分
現金好きの人にキャッシュレスを薦めたいという意志はない。
現金でないとイケない理由は何なのかと考えると、『銀行に預けられないお金なのかな』と頭によぎることもある。
よく聞く理由は『つい使い過ぎてしまう』というものだけれども、果たして本当にそうなのか?
そういう人はもともとそんなにお金を管理していなかっただけなのではと感じてしまう。
・小銭が好きじゃない
キャッシュレス歴が5年程の私も、現金がなんとなくイケてるのはわかる。しかしながらそれは札に限ったことで、小銭は好きじゃない。
レジでお会計にもたついている人を見ると『準備しといてよ…。』と思ってしまうのは、たとえ現金主義の人でも分かってくれるはず。
パンパンに膨らませた小銭入れを持ち歩くこともなくなり、思えば小銭からのストレスには解放されている。
学生の頃はわざわざATMへ小銭を預けに行っていた覚えもあるが、今覚えばやはり無駄な時間だと思う。
・ATMにいきたくない
人の消費が集中する時間帯には、ATMも混んでいる。
私は長蛇の列を横目に『なんで混雑しない時間帯に準備しておかないんだろう』といつも思っている。
ただでさえ、レジで小銭を出すことにイライラしてしまうのに、ATMで並ぶだなんて到底出来そうにもない。
貢茶の行列ですら並ばない。
USJやTDLレベルにならないと、キャッシュレス主義者は並ぶという選択肢を頭の中に作らない。
・ログを残したい
決済履歴を残すにあたって理解しておくべきことは以下の2つだろう。
▻自分自身で買い物を管理できる
家計アプリも出てきて、スマホでいくら使ったかを好きな時にチェックできるのが魅力でもある。
数年前ならレシートを必ず受け取って、ノートに記録して、自分で計算してというのが当たり前だったけど、今では計算もレシートを受けとる必要もない。
見やすいグラフで毎日の出費を可視化できる上に、どのカテゴリで使い過ぎているのかまで教えてくれる。
家計アプリが出たころは私も早速取り組んでいたが、無料だとできることも限られている。
出費を管理しようとするのに、そこに固定費をかけるのは違うなという判断でやめてしまった。
今ではクレジットカードやKYASHの履歴を見返す程度だ。
▻銀行や信用協会に個人の行動記録が残る
一方で、他人もこの記録を見ることができることは理解しておくべきだ。
銀行や信用協会が何をしているのかは全く知る由もないけれど、自分が将来カードを作るなり、ローンを組むなり、お金を借りるなりする際の判断基準となることは間違いないのではないかと思う。
クレジットカードの引き落としやローンを延滞してしまったとか、そういう実績はくれぐれも作らないように気をつけるべきだ。
逆にクレジット履歴といった情報が何もなさすぎる人も、ローンを組むなりするときに困ることがあると耳にしたことがある。
嘘か本当か知らないけれども『スーパーホワイト』という部類に区分されるらしい。
悪い実績がある人は信用できないけれども、『素性が分からない』人も信用できないという意味では同じかもしれない。
だから、適度に行動記録を残しておく分にはカードを使うのも悪くないのではと感じている。
❏なぜ使い過ぎてしまうのか

お買い物をするときについつい使い過ぎてしまうという意見を聞いたことがあるが、それは本当にキャッシュレスのせいなのか?
もともと買わなくてもいい缶ジュースやお菓子を買っていた習慣があって、それがこのタイミングで露呈しただけなのではないかと思う。
買い物の基準が『必要かどうか』ではなく『欲しいものかどうか』がベースになっていれば、お金を払っている感覚がない人はどんどん欲しいものを購入してしまうでしょうね。
日頃から間食する習慣がなければ、その分だけ自分にコストがかかっていないことになるので燃費もよくてオススメだ。
筆者の場合は、完全キャッシュレスでも食費は月3万に抑えることができている。
なぜなら、欲しいものではなく必要なものを買うように心がけているからだ(と思っている)。
❏個人情報漏洩の恐れとは

これに関しては何とも言い難いところがある。
確かに、近頃は大企業の個人情報漏洩についての報道を目にする。
採用活動でも新卒の個人情報を売買するようなことがおこなわれていたのだから何ら不思議ではない。
裕福な人の中には、クレジットカードだと消費ログが残ってしまうのが嫌だという人も多いようだ。
私も富裕層の仲間入りを果たせば同じことをするようになるかもしれない。
しかしながら、盗られて困る情報が一般人にそんなにあるものなのか?と思ってしまうのが正直なところだ。
KYASHというキャッシュレス機能は、クレジットカードとスマホアプリが連動しており、万が一カードをなくした際には、アプリからカードをロックすることが可能だ。
とはいえ、このコロナ禍で外出をしなくなった今、ひいては以前から買い物をAmazonや楽天でこなすようになってからは財布を外に持ち出すこともなくなった。
たまに財布を忘れて出社してしまうこともあるくらいだ。
それでも、お昼のお会計をする際にはスマホを使用するので困ることがなかなかない。
資産がたんまりあれば『個人情報が…』という気持ちもわかる。
人生の先輩方が現金を好む理由は、こういうところにもあるのかもしれない。
❏おわりに
キャッシュレスも現金も自分が使いやすい方を使えばいい。
とはいえ、お金をついつい使い過ぎてしまうのが本当にキャッシュレスのせいだからなのかという点には、今一度振り返ってみるべきなのではないかと考えるのは私だけだろうか。
そういう考え方をしている人は、収入が増えた分消費をしそうな気がするので、問題なのは習慣なのではないかというのが私の意見だ。
キャッシュレスのポイント還元もあくまできっかけづくりに過ぎないけれども、今までの生活を少し変えてみるとか、新しいことに挑戦するとか、それくらいの小さな気持ちでキャッシュレスに手を伸ばしてみるくらいでいいのではないでしょうか。
人が使っているからと同調する必要は全くないと思う。
現金が時代遅れになることは当分ない気がする。