先日、中国通信キャリアのシェアに関するデータが更新された。
中国の通信キャリアといえば、
- チャイナモバイル(中国移動)
- チャイナユニコム(中国聯通)
- チャイナテレコム(中国電信)
上記の3つが主なプレイヤーになっているが、それぞれの特徴はどのようになっているのだろうか。今回はデロイトが公開している『電信行業洞察』という調査結果を見ていきたい。
【モバイル市場】チャイナモバイルは6割キープ、テレコムが成長中

今までも中国の通信キャリアといえば、モバイル面では『チャイナモバイル』が圧倒的なシェアを誇っていたが、今年もその点に変わりはない。
しかしながら、細かくみていくと変化が起こっているようだ。
3年前と比べると、チャイナテレコムのシェアが4%上昇しており、チャイナモバイルが低下しているのだ。
もともと固定電話を中心に展開していたチャイナテレコムであったが、近年の爆発的なスマートフォンの普及を無視するわけにはいられなくなり、モバイル分野に注力するようになっているとのこと。
具体的には、大容量のモバイルデータ通信がオトクなセットを準備しており、2018年から爆発的に伸びている動画・消費需要を取り囲んでいるからではないかと考えられる。
チャイナテレコムのサービスに『歩歩高セット』というのが存在する。
なにかというと、利用歴が増えるにつれて、利用可能なモバイルデータ通信量も増えるというもの。
セット価格(月) | 国内流量 | 国内通話 | 着信による通話(国内) |
39元 | 5ギガ | 100分間 | 無料 |
ただでさえ、39元(日本円でいうと585円、レート:15円/元で換算)という安さなのに、普通に使っているだけで毎年使える量が増えていくといわれたならテレコムに入りたくなりそうだ。
チャイナユニコムもチャイナモバイルも、日本のキャリアと比べたら破格のデータ通信が可能なんだ。例えばチャイナモバイルは通常のインターネット用に月10ギガ、動画用に月10ギガで計45元くらい(日本円でいうと675円、レート:15円/元で換算)しか消費しないのだから驚き。
今までは、スマホといえばチャイナモバイルかチャイナユニコムという2択だったわけだが、これからはそうでもなくなっているかもしれない。
日本人の立場からすれば、日本製のスマートフォンが割と適応しているチャイナユニコムを応援したいところだが、そういうわけにもいかなそう。

全体で見てみると、やはりチャイナモバイルの営業収入は一番高い。
しかしながら、2番目に大きいのはチャイナユニコムではなくチャイナテレコムだ。
チャイナテレコムは他の2社と比べると、ユーザー数の増加がより大きくなっているようだ。
もともとチャイナテレコムは固定電話を展開していた通信キャリアだが、固定電話そのものが中国自体にそれほど根付いていない。
先日、私も中国人の同僚宅にお邪魔させて頂いたが、固定電話の姿は確かに見えなかった。
日本でも近頃は固定電話を置かなくなってきているが、おとなり中国ではそもそもそんなに固定電話が普及しないままで、スマートフォンの普及にジャンプしてしまったというイメージだ。

ブロードバンドのシェアを見てみると、チャイナテレコムがチャイナモバイルと同じくらいを占めているのが分かる。
今後、どのようにシェアが変化していくのかが見物だ。
