中国ではどれだけの人がインターネットを使っているんだ?
という疑問にお答えします。
中国は日本より遥かに大きな国なので、ひとえに先進国とは言いにくいと思われるきらいがあります。
実際のところはどうなんだ?というのが見えにくいのです。
この記事を読み終わった頃には、中国のリアルな数字に基づいた最新ネット事情がわかることかと思います。
中国のインターネット情報センター『CNNIC』が公布しているデータを購入してみました。
ネットユーザーは8億人、普及率は6割
データによれば、2018年12月時点で、中国のインターネット普及率が6割にのぼることが分かっている。
中国といえば、巨大な三大IT企業BAT【Baidu・Alibaba・Tencent】をはじめとし、
スマートフォンメーカーが格安で端末を販売したり、世界に先駆け5Gを商業化したりと、IT面では近年大きな成長を遂げていることで知られています。
オンラインショップを活用しているのは6億人
オンラインショッピング『淘宝(タオバオ)』を運営するアリババも世界的な大企業であり、日本でもそのサービスを目にすることが最近では多くなりました。
この『淘宝(タオバオ)』をはじめとしたオンラインショップユーザー数はおよそ6億人で、ネットユーザーの7割が活用しているとのことです。
かつて中国では、商品を発送したにもかかわらず入金が確認されなかったり…購入者が入金したにもかかわらず商品が発送されなかったり…というトラブルが多発していたため、オンラインショッピングが浸透することはあり得ないと考えられていました。
しかし、これらのトラブルを改善する仕組みを作ったことによって、インターネットの利用率を押し上げるだけでなく、国内の消費活動にも大きく寄与しています。
中国で盛んになっているのは、オンラインショッピングだけではありません。
動画アプリ、出前アプリ、配車アプリなど、インターネットの普及は破竹の勢いで進んでいます。
なかでも、今回のこのデータの中で分かっている数値は以下の通りで、
- 動画アプリ…6億人、全ネットユーザーの7割
- 出前アプリ…4億人、全ネットユーザーの5割
中国におけるインターネット普及率がまだ6割しかないという捉え方をすると、どのプラットフォームも利用者数が拡大することが望めるといえます。
日本でも若い人を中心に流行している動画アプリ『Tiktok』は中国でも中国版Tiktok『抖音(トウイン)』という名前で爆発的に利用されています。
動画のユーザーといえば、このような小さい動画をイメージしがちかもしれませんが、Youtubeのような動画サイトもありますし、ニュースサイトのなかには当たり前のように動画が貼り付けてあるのを目にすることができます。

そのおかげか、中国におけるモバイルデータ通信は2018年に爆伸びしていることが見て取れます。
*移动互联网接入流量…モバイルデータ通信量、*亿GB…億ギガバイト
日本のオンラインショップではいまだに商品画像を使用していますが、中国のオンラインショッピングは動画が基本です。
先ほど取り上げた中国版Tiktok『抖音(トウイン)』でも、商業目的での動画作成はよくあることで、日本でいうインフルエンサーたちが商品紹介をするのに活用しています。
中国全土のユーザー6億人が視聴者であることを考えると、その広告塔としての影響力は計り知れないですね。

そのように、新しいプラットフォームがたくさん出てきていることもあり、今まで中国で代表的だったSNSアプリのユーザー比率は少しだけ減少に転じているというデータが上のグラフです。
これからも、今と同じようにインターネットユーザーが同じアプリを使い続けるとも限らないのでどういう趨勢になっていくのかがみどころだといえるでしょう。
農村のユーザー…2億人、全ネットユーザーの3割
中国では現在、戸籍制度の改革と銘うって、農村と都市を行き来する流動人口を減らす政策をおこなっているところです。中国は都市よりも郊外の方が圧倒的に人口が多いので、農村の定義も難しいところがありますが、農村でもインターネットを使用できる人はゆっくりと伸びてきているということができるのです。

光ファイバーによるインターネット通信を行うユーザーが増えていることもあり、家庭でのインターネットも便利になっているといえるでしょう。

※互连网络接入设备使用情况…インターネットに接続する上でのデバイス使用状況
また、インターネットを利用するにあたってどんなデバイスを使用しているかというと、圧倒的にスマートフォンが多く、デスクトップが5割、その他はおよそ3割前後と行った所ですので、日本とおおよそ似ていることが分かります。
ネットを使わないで生活する人は5億人もいる
非ネットユーザー数…5.6億人、農村地区が6割を占める。
さて、今度は非インターネットユーザーについてふれていきたいと思います。
今回のこのデータからわかる通り、インターネットはこの一年で爆発的に伸びたものの、まだインターネットが使えていない人が多いのも事実です。こういう点が、中国が『先進国かどうか』みたいな論争を引き起こすのではないでしょうか。

原因はいくつかあるようですが、『デバイスやインターネットそのもの』に対する問題もあれば、中国語でマストのピンイン*が分からないといった原因があることに驚かれる方も少なくないのではないでしょうか。
*ピンイン…複雑な中国語の発音をアルファベットで表現したもの。
農村地域に至っては、インターネットを普及させる以前に教育を受けることができていない人たちも多くいるようです。

そんな非インターネットユーザーだった人たちがどういうきっかけでネットを使うようになったのかをまとめたデータが上のグラフです。
こちらも表を作り直しました(coming soon…)。
最も多いのが、家族などの身近な人たちと連絡を取る手段として便利だと認識している人です。その他はインターネットから情報を仕入れるのに活用するものが目立ちますが、その一方で『農産品を売って収入源にする』といった農村ならではの活用法も生まれていることが分かります。
また、近年のECレポートで公開されているデータによると、新疆自治区といった郊外エリアでのオンラインショッピングが大きく伸びていることが分かっています。
この表を見る限り、ネットユーザーになるきっかけとしては相対的に弱くみえますが、確実に中国人のネットユーザーを増やす要因として『買い物がしやすい』という利点が大きいといえます。
こんばんは。ランキングから来ました。中国に行ってみて感じたのは、スマホの普及率です。小さな屋台にもQRコードが備えていて、スマホで読み取ると決済があっという間に終了。現金で会計をしているのは、高齢者と外国人観光客だけのように感じました。日本も中国と同じようにキャッシュレスになるでしょうか。
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コメントありがとうございます!初めてで気付くのが遅くなり申し訳ございません…
確かに外国人旅行客が中国で決済に困ることも少なくないですね。留学や研修の斡旋業者が決済手段について指導をするくらいですので。
2019年に入り、特に先日の増税を機に日本でもキャッシュレスを推進する動きはあるものの、日本人の心の壁を拭い去るには時間がかかりそうだと私は考えています。
中国の場合、1:現金が清潔でなかった、2:紙幣がシンプルなので偽札が多かった、といった特有の事情があったため、スマホの出現に伴い、キャッシュレスも中国全土へ爆発的に広がったと言われます。
ですので、一見日本は遅れているようにも見えますが、偽札犯罪なども少ないため、無理にキャッシュレスを広げる必要があるわけでもないのではないか?という見方をする中国人もいるようです。
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