近頃テレビで話題になっている韓国とのホワイト国問題。韓国国内でも不買運動などが発生するなか、今後の日本と韓国との関係はどうなっていくのかは誰もが気にする話題となっています。そしてこれは、二国間だけで終わる話でもありません。近隣の国々にどんな影響が及ぶのでしょうか。
この記事では、中国が日本と韓国の問題をどのように捉えているのか追跡します。
ロシアがフッ化水素供給意欲を示す 日本の制限措置で(2019.7.12)
日本は7月4日から韓国に輸出制限を課し、ついに半導体製造における「高純度フッ化水素(HF)」にまで言及する。日本の措置に対して、韓国は米国が仲裁してくれないか助けを求めつつも、自分で何とかできないか模索している。
この時点で、ロシアは韓国企業に高純度のフッ化水素を供給する意思を示している。韓国政府当局者は11日、ロシアが韓国政府に外交声明を出したと発表した。
韓国政府当局者は12日、ロシアは、外交ルートを通じて韓国政府に対し、国産のフッ化水素を韓国企業に供給する意図があると表明し、昨年11月に日本がフッ化水素の供給を一時的に遮断した後、韓国政府は代替ルートを探していたという。
7月10日、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、韓国経済界の著名人会合で、ロシアからのフッ化水素輸入について提起した。
輸入チャネルの多様化対策について議論が行われているさなか、韓国貿易協会の金栄柱(キム・ジョンジュ)会長は、ロシア政府がロシアの韓国大使館を通じて「ロシアはフッ化水素技術の生産において日本より優れている」と韓国にアピールし、サムスンに日本のフッ化水素よりも高い純度を供給できると言明している。

フッ化水素は、半導体製造工程内でエッチング*¹やゴミ除去をするときに使用される。
今年1月から5月にかけ、韓国企業がフッ化水素を輸入した金額は中国46.3%、日本43.9%、台湾が9.7%、インドが0.1%となっている。
*¹エッチング…薬品の腐食作用を応用して被加工物を溶解加工する技術
ロシアの供給提案に関する韓国とロシアが合意すれば、たとえ日本がフッ化水素の輸出を制限したとしても、韓国企業は大きな打撃を受けないだろう、と報告した。 サムスン電子を含む同国の半導体企業は、日本からロシアへの主要な輸入チャネルを変更する可能性が否めない。
しかし、商品の供給源が変われば、技術を最適化するのに試験期間を経なければならず、半導体生産の一時的な減少は避けられないと説明した。半導体の専門家は、プロセスに必要な化学製品を交換した後、生産ラインを安定させるのに約半年かかると述べている。
「生産ラインを構築するには約1兆ウォンの費用が必要であり、設備の安全性に特に注意を払う必要があり、サムスン電子は長年の信頼関係を持つ日本企業との長期的な接触を維持している」と政府当局者は述べた。
サムスン電子は、ロシアのフッ化水素供給の提案について、「具体的な内容が正確には分からない」と慎重になっている。「現在の生産品を使用しなくなった場合は品質試験が必須になる。しかも高純度フッ化水素は慎重に取り扱わなければならない物質であるため、最大2ヶ月間は継続する必要がある」と述べた。
2019年7月12日、観察者網の記事をもとに編集。
中国のフッ化水素導入が試験的に始まる(2019.7.17)
サムスンは李在鎔氏が日本のサプライヤーから半導体材料を臨時的に受け取ったことを否定している。これは日本との問題を乗り越えることを意味している。サムスンのような韓国企業は原点に戻り、日本以外への供給を求める必要がある。
以前に韓国メディアが「日本・韓国間の半導体とパネル材料問題は中国企業に利益をもたらすかもしれない」と報じていたが、これはない話でもなくなってきている。サムスン、SKヘリックスが中国に対してすでにフッ化水素材料の輸入を試験的に開始しているようだ。
日本は韓国に3つの材料の供給している。フッ素ポリイミドは主にOLEDパネル製造に使用され、なかでもフォトレジストは半導体製造の中核材料だといえる。
高純度フッ化水素(Eatching Gas)も同様にして半導体製造における一般的な材料だ。エッチング、洗浄をはじめとする700以上の製造プロセスのうち、フッ化水素を使用するプロセスは50にものぼる。
上記2つの材料は日本がほぼ独占状態にある。特にEUVグレードのマスクアラインメント光学システムという特殊な技術を用いる企業は日本以外で少ないため、日本から輸入するフッ化水素は韓国で43.9%を占め、半導体製造で用いる高純度フッ化水素はほぼ100%日本から輸入されている。
とはいえ突破口はあるかもしれない。
「SKヘリックスが韓国企業のソウルブレインが生産する高純度フッ化水素材料を試験的に導入し、中国からもフッ化水素の原材料を輸入している」と韓国メディアは報じている。
SKヘリックスだけでなく、サムスンもソウルブレインのフッ化水素材料を半導体製造工場で使用しているとも知られている。さらにサムスンは、中国の西安・テキサス州オースティンの半導体工場で、高純度フッ化水素を供給するために大量の注文を出した、との情報もある。
しかしながら、前述したように、半導体製造プロセスは極めて複雑であり、どんな材料であれ選んで検証するのに長い時間を要する。
2019年7月17日、騰訊新聞の記事をもとに編集。
電子化学新材料連盟の関係者がWeChatで 7月16日に発信したニュースによると、濱化(ビンフア)グループのエレクトリカル部品用フッ化水素酸が、韓国の半導体メーカーからの受注に成功した。
7月1日、サムスン電子、SKヘリックス、LGエレクトロニクスなどの大手電機メーカーに打撃を与えたフッ素ポリミダミン、腐食抑制剤、高純度フッ化水素を含む半導体材料について、日本が韓国に対して輸出規制を発表した。これを受けて韓国も国内技術研究開発市場の多様化を模索している。
濱化(ビンフア、Binhua)グループは、多くのバッチテストを実施した後、最終的に韓国の企業と正式なパートナーシップを確立。
2019年7月17日、今日頭条の記事をもとに編集。